『ノーモア・ヒバクシャを記憶遺産に』

「いったいこの国は、ヒロシマ・ナガサキから何を学んできたのだろう」
――「あの日」から66年経った3月11日、福島原発事故に遭遇した原爆被爆者たちの心に去来した悔しさ、空しさはいかばかりだったことでしょう。

今年は、被爆者たちが「自らを救うとともに、私たちの体験をとおして人類の危機を救おうという決意」を誓い合い、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)を結成して55年を迎えます。この半世紀を超える長い間、被爆者たちは体と心に深い傷を負い、その不安と苦しみの「生」を生きながらも、原爆は人間に何をなし続けるのかを身をもって告発してきました。核戦争の地獄の体験と、被爆者として生きねばならなかった「生」とを通じて、“核兵器は人間と共存できない”、“ふたたび被爆者をつくるな”は命をかけた叫びとなったのです。そして、原爆被害の実相を世界に広げ、核兵器廃絶を訴えてきました。

それにもかかわらず、数千発の核兵器が地球上に実戦配備され、人類は依然として核戦争の危機に脅かされています。この地球は核の汚染にさらされています。

被爆者に残された時間はわずかです。被爆者たちの「長い時間をかけた人間の経験」と志を歴史に埋没させてはなりません。
ヒロシマ・ナガサキ、ビキニを経験し、そして今、フクシマまでもひき起こしてしまった被爆国の私たちがなすべきこと――それは被爆者が遺してきた原爆被害の実相と、証言、記録、たたかい、未来へのメッセージを確かに受け継ぎ、世界中の人々が共有できる記憶遺産とし、発信しつづけることです。それこそが、〈核の犠牲となった人びと〉と〈未来を生きる人びと〉への何よりの責任の取り方ではないでしょうか。

そのために、私たちは「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」を発足させることにしました。
みなさんの会への賛同とこのとりくみへのご参加を心から呼びかけます。

2011年12月10日
ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会 設立総会