ヒロシマ・ナガサキを語り受け継ぐネットワークでは、日本被団協と協力して被爆70年、2015年NPT再検討会議に向けた冊子(報告書)の作成を進めています。この冊子(報告書)は、NPT再検討会議に参加する日本被団協の代表の国連の各国政府代表部への要請行動や、国内で日本政府に要請する際に活用し、また代表を派遣する諸団体などで事前学習や現地行動のときにも使えるものを目指しています。

これまで各地で聞き取りの記録や被爆者のみなさんから寄せられた自筆の記録をもとに冊子に掲載する被爆証言の抜粋作業を進めていますが、原爆被害の特徴や被爆者の思い、受け継ぎ手の声を集約したものとするためには、さらに幅広い被爆証言や受け継ぎ手の声が必要です。

この冊子は日本被団協の代表に託しNPT再検討会議への行動に持参して頂くものなので、日本文で16ページ、英文で20ページ程度の体裁となります。内容は原爆がもたらしたもの、一部だが証言はその生の声であること記した前書き、被爆証言の抜粋(特徴的な原爆の被害・被爆者の思い)、そして今受け継ぎ手の思いや訴え(受け継ぐこと、次の世代と世界へ)とで構成します。

 

この取り組みの呼びかけ文、記録用紙、これまで寄せられた被爆証言でご本人からwebサイトでの掲載をご承諾いただけたものは、以下のURLからご覧いただき、ダウンロードできます。

 

呼びかけ文(配布用)

「70年聞き取り票」(配布用)

被爆証言

 

12月の「ヒロシマ・ナガサキを語り受け継ぐつどい」に向けて、みなさんが取り組んでこられた聞き取りの記録や自筆の記録、受け継ぎ手の声を10月末日までにお寄せください。

【今までに寄せられた証言・受け継ぎ手の声から】

(広島 直爆1.3km 男 13歳)

「原爆で何を思い出しますか」と聞かれるんですが、ウジとハエ、そして匂いです。どうしてこんなに広島にハエが集まったのか。集まったのではないんです。生きた人間、あるいは死んだ人間から出てきたハエなんですね。

 

(広島 直爆3.5km 女 7歳)

自宅へ向かう道中の光景は、68年経つ今でも目に焼きついています。とても辛くて、忘れたいのですが、忘れることができません。目玉が飛び出している人、腕の皮膚がただれてびらーっとなっている人、真っ黒に焦げている人、内臓が飛び出している人などを目にしました。その時、倒れていた同じくらいの年の女の子と目が合いました。その子は声を出すことが出来ないようでしたが、目で「助けて」と訴えてきました。私は、その子を助けることが出来ず、1杯の水さえ与えることが出来なかったことを、今でも後悔しています。そして今でも、その子の助けを求める目が鮮明に思い出されてしまうのです。

 

(長崎 入市 男 12歳)

新興善国民学校は怪我人の収容所になっていました。頭を並べて一列15人ずつ、それが4列で1階から3階まで満員でした。水をドラム缶で煮沸して傷を洗うだけで薬は何もないですからバタバタと死んでいく。死ぬと担架に載せて校庭に持って行って、井桁に積んでガソリンをかけて焼く。私はそれまで黒い焼死体はずっと見てきましたから何とも感じないのですが、ガソリンをかけて焼かれると死体が動くんです。それはちょっと……地獄絵図とはあのことです。

 

(広島 直爆不明 男 16歳)*10

皆さん方に原爆被害、核被害の継承のリーダーになっていただきたい。自分の問題として考えない限り、核兵器廃絶の問題が自分の問題になってこないということをみんなに伝えて欲しい。「今日の聞き手は明日の語り手」と言われるが、「僕は私はそんな被害にあいたくないんだ、だからほかの人たちにもあわせたくない」という世論を広めてもらう、そうして世論が大きく高まっていかないと核兵器の廃絶というのはできないと思う。

 

M・Aさん(高校2年)

「伝えきれないよ。想像できない世界だから」と被爆者は言う。その通りだと思う。でもだからこそ私はその言葉をありったけ受けとめ、想い、仲間たちの心に届けたい。その人たちが世を去る間際に、私たちに伝えきれないものを伝えようとしてくれている。だから私は受けとめきれないものを受けとめよう。確かにバトンを受けとろう。

 

M・A(高校2年)

どうしてあんなことになってしまったのか。悲劇の後で悔やんでも、傷つき、失われたものは帰らない。だから僕たちは想像し、学び、自分たちの思いを訴え続ける力を持たなければならない。「戦争は何があっても、絶対にしてはならない」。この被爆者の言葉に僕は誓いたい。この実現のために僕はできるありったけの努力を続けていくことを。

強く強く手渡された思いを心に刻もう。そして、自ら決意しよう。声なき声を聞け。見えない痛みを涙で包め。そして、それをしっかりと抱きしめるべきだ、と。

 

【連絡先】特定非営利活動法人 ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会〒102-0085東京都千代田区六番町15プラザエフ6F 生協総合研究所気付E-mail: shimamura_kiokuisan@yahoo.co.jp